EDK甲子園2011講評

■エッグドロップ甲子園2011を終えて

エッグドロップ甲子園2011に参加された高校生の皆さん、朝早くから夕方までお疲れ様でした!
エッグドロップ甲子園2011に京都、奈良、大阪、滋賀、兵庫と関西一円からの参加があり、
チーム参加として46組、学校団体として5組、合計51組の参加がありました。

チーム参加46組の中では21組、学校団体5組の中では3組がタマゴを守りきりました。

タマゴを守ることは必要条件ですが、さらに幾つかの評価基準も考慮してプロテクターを
制作する必要がありました。
ここでは特に、「創造性」に着目したいと思います。

エッグドロップ®において、「正解」となるプロテクターの形状はありません。
しかし、「これであれば、だいたい大丈夫」というものはあります。円錐形です。
割れないという条件をクリアするためには「円錐形」を踏襲することが一番容易です。
今回のエッグドロップ甲子園においても数多くの円錐形プロテクターが制作されました。

■事前に調べたどこにでもある形状ではなく、独創的な形状が大切

そんな中で、独自の視点から創造力を働かせ、オリジナリティ溢れるプロテクターを
制作したチームがありました。

惜しくも割れてしまいましたが、立命館守山高校C、桃山高校A、洛陽総合高校A、
関大北陽高校Eなどのチームは、円錐形が主流の中で非常に特徴的な面白い形状の
プロテクターで、果敢に挑戦していました。

ユニークかつ割れなかったプロテクターとしては、彦根東高校A、洛星高校Cが奮闘していました。

先端技術賞を受賞した四天王寺高校A(奈良高専1名含)のプロテクターは
外部からの衝撃緩和の方法がユニークでした。
また、円錐形を採用していても、創意工夫を加えているチームも数多く見受けられ、
アピールシー トにて説得力のある紙上プレゼンを繰り広げていたのがとても頼もしかったです。
京都明徳高校B、洛星高校B,D、同志社香里高校B、奈良高校A、嵯峨野高校Bのプロテクターは
様々な形の複合型であったりデザイン的にも優れており、工夫がみられました。

■最先端技術を誇るはずの日本から『iPhone』が生まれない
ここでちょっと考えてみたいと思います。
円錐形ならということで、みんながみんな同じようなのを作ったとしたら・・・
お店、例えば電化製品の量販店なんかに行って、携帯電話を買おうと思ったら、
どれもこれも同じに見えてくるっていうのと同じですね。

日本の携帯電話は“ガラパゴス携帯”と揶揄されますが、実は世界最高水準の
高性能端末であるのはみなさんご存知の通りです。
着メロ、写メ機能などをはじめ、世界に先駆けて様々な最新機能を満載していました。
しかしながら、その中にiPhoneは登場しませんでした。

技術力が足りなかったからでしょうか。いいえ、違います。
足りなかった部分があるとすれば「創造力」です。
これがないとどれもこれも似たり寄ったりのものが、雨後のタケノコのように
出てくるだけの状況になります。

エッグドロップ甲子園においても、あえて円錐形ではなく、独自の観点から創造性を発揮した
プロテクターでチャレンジした高校生たちに、私は熱いエールを送りたいと思います。

チャレンジャーにのみ、真の栄光があります。
チャレンジせずして、手にした栄光は真の栄光ではありません。

“For those who fight for it, life has a flavor the sheltered will never know.”
— 戦う者の人生は、戦わぬ者の人生より遥かに美しい —

来年度のエッグドロップ甲子園2012は、物理の知識に加え、さらに創造力を問うものにしたいと思います。

2011年11月22日

特定非営利活動法人ものづくりキッズ基金
代表理事 三島ナヲキ

*エッグドロップ及びエッグドロップ甲子園は特定非営利活動法人ものづくりキッズ基金の登録商標です。
エッグ・ドロップのような類似商標の使用禁止およびエッグドロップ®の名称の全部または一部を無断使用したイベント開催、講習会、出版等は知的財産侵害となります。



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